今日は熊本へ来ています。
目的は、熊本アートポリスのコンペ
「mokuban2」の公開審査会への出席でした。
公開審査会と言うと、まるで1次審査に通ったように聞こえますが、
この審査会は出品全部の審査をライブで行うと言う、前代未聞な事でした。
コンペの審査に立ち会った経験など無いので、
他の作品も見に、熊本にやってきました。
結果はというと・・・もちろん惨敗。
最終選考に近い作品を見ると、実際に建てるコンペにも関わらず、
アイデアコンペに近い、納まりもへったくれも無いものばかりでした。
が、最終選考近くに残ったのは、「建てたいんだ」というエネルギーが、
A1のプレゼンボードからほとばしっているものばかりでした。
悪く言えば施主不在、設計者の勝手な思考を吐露しているだけでは、
とも取れますが、それ上回るほど魅力的、且つ可能性のある提案ばかりでした。
それに比べると、私のは実際に建てる事や、予算条件、敷地条件に縛られ過ぎ、
コンペの最大目的の「次世代木造空間の提案」という部分が抜け落ち、
ブラッシュアップの度合いが低すぎたと言う事が明白でした。
実作という意識が邪魔し、ディテールに気を取られすぎ、
提案の純粋化と言う作業が少なすぎました。
実際に日常を暮らす住宅のような、要素が多く絡み合う空間ならいざ知らず、
10坪弱の空間の提案では、純粋化無くしては良い空間は生まれないな。
純粋化されているからこそ、実施設計で直面する現実に、
削ぎ落とされる事に耐えうる提案に鍛え上げられるのではないかと。
作品同士も一発勝負であるとともに、
審査員も公開の場なので一発勝負。
鬩ぎ合い、もみ合いの果てに10作強が選考を通過しました。
その様相はまるで「建築バトルロイヤル」。体育会系です。
こじんまりと、きれいにまとまった提案が魅力的なのではなく、
荒削りでも良いから、のど元に突き刺さるような挑戦的なものが面白い。
ケンチク好きが300人も集まると、化学反応のような一種独特の雰囲気。
初めてこんな雰囲気にもまれ、今日はもうクタクタになりました。
しかしこんな時期だからこそ、明日へ向かっての挑戦が必要で、
法規制に汲々している場合ではないなと、改めて考えさせられる1日でした。